iOSアプリ開発においてFrameworkを自作する方法【手順5】

今回は、前回の続編として、「.framework」ファイルを自作する方法の最終回として「手順5.Frameworkをビルドし利用する」を紹介する。

繰り返しになるが、「.framework」ファイルを自作する方法に関しては、下記のサイトで非常に丁寧に紹介されている。
iPhoneアプリ開発自作Frameworkをつくる
ただ、少し古いバージョンのXcodeで説明されているので、現時点の最新版である「Xcode6.1」における方法を紹介する。

手順は下記の5ステップとなる。少し長くなるので、各手順に分けて説明する。

<手順概要>
手順1.プロジェクトを作成する
手順2.Property Listを作成する
手順3.Targetを作成し、Run Scriptを設定する
手順4.Frameworkで実行したい処理をクラスとして追加する
手順5.Frameworkをビルドし利用する(本記事)

<手順詳細>
5.Frameworkをビルドし利用する

5.1.Frameworkをビルドする

「Product」->「Clean」を実行する。
必須の操作ではないが、この手順を省略すると、稀に古い設定や構成でビルドされてしまう事があるので、ビルド前の習慣とした方が良い。

Xcodeの画面上部にある「Manage Schemes」の左側を「<プロジェクト名>.framework」(例:FramworkSample.framework)に設定する。

Xcodeの画面上部にある【Run】ボタンを押下する。

プロジェクトとフォルダの直下に「Framework」フォルダが作成され、その配下に「<プロジェクト名>.framework」(例:FramworkSample.framework)が作成されている事を確認する。


5.2.作成したFrameworkを利用する

Xcodeで新しいプロジェクトを「Single View Application」で作成する(例:UseFrameworkSample)。
プロジェクトツリーの最上部を右クリックし、「Add Files to "<プロジェクト名>"」をクリックする。

表示されたダイアログで、5.1の手順で作成した「<プロジェクト名>.framework」(例:FramworkSample.framework)を選択する。
「Copy items if needed」にチェックを入れて、【Add】ボタンを押下する。

プロジェクトツリー上に「<プロジェクト名>.framework」(例:FramworkSample.framework)が追加された事を確認する。

プロジェクトツリーの最上部を選択し、TARGETSでプロジェクト名(例:UseFrameworkSample)を選択する。
表示された画面の「Build Settings」タブを開き、「Other Linker Flags」の行をダブルクリックする。
下図の様な入力ダイアログが表示されたことを確認する。

入力ダイアログの下部にある【+】ボタンを押下して、「-ObjC」と「-all_load」を追加する。

入力ダイアログ以外の場所をクリックして入力ダイアログを閉じる。
「Other Linker Flags」に「-ObjC」と「-all_load」が追加されたことを確認する。

ViewController.mファイルを開き、「#import "ViewController.h"」の次の行に「#import <フレームワーク名/クラス名>」(例:#import )を記述する。

ViewController.mファイルのviewDidLoadメソッド内に、フレームワーク内のクラスを使用するコードを記述する。

Sample *sample = [[Sample alloc] init];
[sample startLogic];

シミュレータまたは実機で実行し、ログを確認する。

以上で「手順5.Frameworkをビルドし利用する」が完了となる。

今回でFrameworkを自作する方法の紹介は終了となる。
手順は多いが、各手順の難易度はそれ程高くは無い。
この方法を用いることで、よく使用する処理や、汎用性の高い処理をライブラリ化して、生産性を向上することができる。

Enjoy Programing!!

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<お勧め書籍>

詳解 Objective-C 2.0 第3版
iOSアプリ開発技術者として仕事をするのであれば、必ず読んでおくべき書籍である。
筆者も何度も繰り返し精読している。