Windows PCをGitのリモートリポジトリとして使用する方法

今回は、Windows PCをGitのリモートリポジトリとして使用する方法を紹介する。

Gitとは、プログラムのソースコードなどの変更履歴を記録・追跡するための分散型バージョン管理システムである。
故障率を抑えるため、通常はサーバマシンのLinux上に構築したGitをリモートリポジトリとして使用することが多いと思われる。

しかし、あるプロジェクトで機器調達の遅れから、ノートPCのWindows7上にGitを構築し、リモートリポジトリとして利用することとなった。
今回は、その時に調査した内容をまとめたものである。

注意
今回紹介する方法は、安全なLAN内にあり、かつLANにアクセスできる人間が悪意を持たないことを前提とした方法であり、最低限のセキュリティも確保されていない事を十分に留意して頂きたい。


<関連ソフトのバージョン>
Gitサーバを構築するノートPCのOS:Windows 7 Home Premium
使用するWindows用のGit:Git for Windows 1.9.0


<手順概要>
1.Git for Windowsをインストールする
2.フォルダを作成し、Gitリポジトリとして初期化する
3.公開用リポジトリに指定する
4.Gitデーモンを起動する


<詳細手順>
1.Git for Windowsをインストールする
公式サイトよりGit for Windowsをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックすると、インストーラーが立ち上がる。
いくつか設定項目を聞かれるが、デフォルトのままでも正常にインストールされる。
筆者がインストールした時は、最後に聞かれる項目である、改行コードの変換に関する項目のみ「変換しない」を選択し、他の項目は全てデフォルトのままインストールした。

インストール完了後、任意の場所で右クリックを行い、Gitに関するメニューが追加されていれば、正常にインストールされている。


2.フォルダを作成し、Gitリポジトリとして初期化する
最初にGitリポジトリ用の親フォルダを作成する。任意の場所・名前で良いが、ここでは「C:\git」とする。
次に先ほど作成した、Gitリポジトリ用親フォルダの直下に、実際にリポジトリとして使用するフォルダを作成する。このフォルダ名も任意で良いが、慣習的に「.git」で終わる名前が用いられる。ここでは、「test_remote_repository.git」とする。

続いて、作成した「test_remote_repository.git」フォルダを右クリックして、「Git Bash」を選択する。

するとGit用のコンソール画面が起動する。

この画面で下記のコマンドを実行し、リポジトリとして初期化する。

git init --bare --shared=true


3.公開用リポジトリに指定する
上記で起動したGit用のコンソール画面で、下記のコマンドを実行し、Gitデーモンの公開用リポジトリに指定する。
Gitデーモンはリポジトリフォルダ直下に「git-daemon-export-ok」ファイルがあると、公開用リポジトリとして認識する。

touch ./git-daemon-export-ok


4.Gitデーモンを起動する
上記で起動したGit用のコンソール画面で、下記のコマンドを実行し、Gitデーモンを起動する。

git daemon --export-all --enable=receive-pack --base-path=/C/git


<使い方>
Gitデーモンの起動により、下記URLにより、他のPCからリモートリポジトリとしてアクセスできる様になる。

git://<リモートリポジトリを構築したPCのIPアドレス>/test_remote_repository.git

よって、作成したリモートリポジトリからクローンする場合は、下記の様なコマンドを実行する事になる。

git clone git://<リモートリポジトリを構築したPCのIPアドレス>/test_remote_repository.git